治験で必須! PCで使う共有フォルダ整理術

治験の実施に欠かせない、共有フォルダ内を整理する方法をご紹介します。共有フォルダというのは、ネットワーク上の他のユーザからも参照できるように設定されたフォルダのことです。治験業務で発生するたくさんの書類の中から、必要書類を探し出すのは、正直時間のかかる作業ですよね。特に共有フォルダは保管するデータや利用者が多い分、乱雑になりやすく、しっかりと管理しないと目的のデータを探すのに手間がかかってしまい、仕事効率が落ちてしまいます。でも、仕事の早い人は工夫してフォルダを管理し、業務効率化しています。常日頃共有フォルダを整理しておくとすぐに仕事に取りかかることが可能です。他メンバーに聞かれた時にもすぐに伝えられる、他メンバーが必要書類に到達できるというメリットがあります。ここでは、治験ならではの共有フォルダ整理方法を具体的にお伝えしていきます。

 

第一階層:組織で分ける

治験で関わる組織で分けるためには、治験の組織図を利用するのが一番理解しやすいかと思います。一つ例をあげておきますね。特に委員会系は、各々の治験で必要となる委員会が違ってきますので、まずは自身の組織を確認しましょう。

(例)治験組織図

ここでは、以下の組織が存在することがわかります。

  • 治験調整委員会
  • 治験薬/治験機器提供者
  • 効果安全性評価委員会
  • 中央判定委員会
  • A病院(ここでは、B~E病院を省略します)
  • モニタリング
  • 監査
  • 統計解析
  • データマネジメント(登録センターと同じ場合が多いです)
  • メディカルライティング

これが第一階層です。

POINT
治験組織図を作成し、組織をピックアップしましょう!

組織名の先頭に数字を振って管理しましょう

以下の手順で整理しましょう。

  1. 先ほどピックアップした治験組織名に「共通」というフォルダを追加
  2. それぞれの組織名の先頭に二桁の数字を割り振る
  3. 独立した委員会や各治験実施施設といった、平行した組織は一桁目を変更する

00_共通
10_治験調整委員会(治験調整事務局)
20_治験機器提供者
30_統計解析
40_データマネジメント
50_モニター
60_監査
70_効果安全性評価委員会
71_画像評価委員会
91_施設A
92_施設B
93_施設C
94_施設D
95_施設E

このように整理することで、アクセス権限を付与しやすくなります。例えば、外注しているモニターには、「00_共通」と「50_モニター」それから、9から始まる各施設を閲覧できれば良いことになります。治験を進めていく中でモニターが中間解析の結果を知る必要が出てきたというようなことがあれば、「70_効果安全性評価委員会」のアクセス権限を追加で付与することもあります。

第二階層:「共通する基本項目3つ」を入れましょう

「共通する基本項目3つ」は以下をご覧ください。数字の0から始めるのは、組織との違いを明確にするためです。
01_手順書
02_契約書
03_指名書・受諾書

「50_モニター」を例に取り上げてみます。

50_モニター
01_モニタリング手順書
02_モニタリングに関する契約書
03_モニター指名書、受諾書
05_モニタリング報告書作成一覧表
06_モニタリング報告書
07_(第三者による)QCチェックリスト

共通フォルダのみは特徴的なので、以下を参照してください。

00_共通
01_治験実施計画書
02_患者同意説明文書・同意書
03_治験薬/治験機器概要書
04_症例報告書
05_その他

第三階層:それぞれの項目に「閲覧用(PDF)」+「old」を作成しましょう。

WordやExcelで書類を作成したら、必ずPDFファイルを同時に作成しておきましょう。そして、同じフォルダの中に(閲覧用)と明記して保存しておきましょう。書類は必ずWordやExcelファイルとPDFファイルの2つがあるような状態にしておきます。そうすることで、確定した書類(最終盤)にはPDFファイルが存在し、無ければ作成中(ドラフト)と言うことがわかります。また、「old」ファイルを作成しましょう。

作成した書類に捺印をもらった場合、必ずスキャナーで保存しておきます。この書類のタイトルは同じ名前ですが、先頭に(捺印済)などと記載しておきましょう。

(例)モニタリングに関する契約書

[第一階層]50_モニター
[第二階層]02_モニタリングに関する契約書
[第三階層]モニタリングに関する契約書
(閲覧用)モニタリングに関する契約書
(捺印済)モニタリングに関する契約書

フォルダに階層を付けるとデータが整理され扱いやすくなりますが、多すぎると目的のファイルにたどり着くのに時間がかかります。多くても第三~四階層程度に留めるようにしましょう。

作成者が自分の担当のフォルダに格納する

GCP上、作成した者が自身の担当フォルダに格納するようにします。例えばモニタリング報告書は各治験実施施設に発生する書類ですが作成者はあくまでモニターですので、

「50_モニター」>「06_モニタリング報告書」>「01_A病院」

とするのが良いでしょう。

最後に

治験の準備段階で共有フォルダを正しく構築することは、全体の仕事効率に関わってきますので、今現在上手く管理されていない場合は早めに整理していくことをおすすします。
共有フォルダが綺麗に整理されただけでも仕事効率はアップするはずです。

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